科学部恋愛





「俺がいつ生物が好きっつった?」




「さっき実験より生物観察選んだじゃん」




体育館裏まで歩いてから

あたしは隅にちょこんと座った。

だからって別にどうもないけど、

ただ何かショックだった。




凛ちゃんは何で生物なんて

提案したんだろう…




すると郁斗は目の前に見える

大きな木を見ながら

あたしの隣に座り込むと、

ハァとため息を零した。




「俺は科学の方が好き」




「じゃぁ何でさっき…」




「だからってアイツの提案を無視したら傷つくだろ?」




…あたしと一緒の事…




凛ちゃんを傷つかせない為に

ワザと生物を選んだの?






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