秘密のニオイは禁断の恋
進路指導室で
───────……

ある日の放課後、俺は竹下を進路指導室に呼び出した


コンコン…


「失礼します…」


小さくそう言ってドアが開く


竹下は俺の顔を見て、内容を察知したのか、少しずつ涙目になってきた


「まぁ…座れ」


「はい…」


俺の前に静かに腰を下ろす


あの噂は本当か?


心の角に、まだ信じようとする俺がいた


呼び出してみたはいいものの、何と言っていいのかわからない


いきなり噂の話をするのも、多感な時期の高校生には躊躇する


そして、俺は別の話をすることにした





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