秘密のニオイは禁断の恋
竹下の返事も待たずに、俺はチョコレートの箱を開けた


そして、去年と同じように


「竹下も食う?」


「い、いえ…私は…」


「あっそ…」


俺はチョコレートを摘まんで口に入れた


「竹下〜そんなに見つめられると食いにくい…」


「す、すみません…」


竹下は焦りながら、助手席の窓から外の海に目をやった


「やっぱり欲しいんだろ?ホラ」


去年みたいに竹下の口元に、チョコレートを持っていく


「いいですって!」


身体をドアギリギリまで付けて断る竹下


「いいから!口開けねぇと制服に落ちるぞ!」





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