秘密のニオイは禁断の恋
「あ〜あれだ!遅れた月謝は卒業までに払えばいいとお母さんに伝えてくれ。今回だけ特別に許可が出た」


「本当ですか?」


信じられないという面持ちで俺を見る


確かに今までに特別な許可など下りたことはない


それは全校生徒も暗黙の了解


俺は後で理事長にお願いするつもりだった


不安そうな竹下に顔を近付けて小声で言う


「俺が理事長に頼んだ。他の奴等には言うなよ」


「先生が?」


「竹下は俺の大事な生徒だからな!家の事情で月謝が払えないから退学とか、マジムリだし」


俺は柄にもないことを言い、1人で恥ずかしくなって照れたように頭を掻いた





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