秘密のニオイは禁断の恋
「先生、私、将来、なりたいモノとかないし、進学しないから勉強とかどうでもいいし…だから…辞めます。お世話になりました」


竹下はペコッと頭を下げて俺から逃げるように、この場を立ち去った


ハァ?辞める?


俺は立っていた階段を急いで上り、教室に走った


久しぶりにマジで全力疾走して息が切れる…


すぐに竹下が教室に入ってきた


「竹下…俺の勝ち!向こうの方が近道だぞ」


俺は今、走って来た方向を指差した


「競争とかしてません!」


強い口調で言う竹下の目には、うっすらと涙が浮かんでいる


…ったく…コイツは…





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