私は泣き虫


ガタンゴトン


カンカンカンカンー。


ガタンゴトン

ガタンゴトン


私は田舎に文句を言いに帰っていた。


久しぶりの電車は最初こそ人混みだらけだったのに実家に近づくにつれ車内はスカスカになっていた。


どこまでいっても海は見えない、電車を降りたらバスに乗らなくちゃ…

私はひとつため息をもらし足元のお菓子を見た。

甘い物が好きな私の家族にお土産を買った、私の好きな物は多めに、ばぁちゃんの好きなモンブランをいれて。




ガタンゴトン


ガタンゴトン


つり革が規則的に揺れる


まだ海は見えない


あの海は変わってないだろうか?


なにもかもあの時のままだろうか?


誰に問いかけるわけでもなく考えてしまう


置いてきた景色は青に揺れ、空と海の真ん中に白い船が波にゆらゆら揺られてる

飛行機雲がアーチを作りテトラポットから子供が顔を出す。



飛行機が雲を作っていると勝手に思いこむ。



そんな思い出がゆらゆら。



ガタンゴトンガタンゴトン



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