恋のはじまり

いきなり後ろから聞こえた声に驚いた私は、思わず持っていた鞄を振り回す。


「うわっ、ちょっ!危ね!待て待て!怪しいやつじゃないから!」

「いや~!近寄らないで~!!おばけ~!」



気が動転している私の耳に、相手の声など全く届いていない。


「待てって!ちょっ、聞けよ!キミ、3組の蒼井さんだよね?俺のこと、知らない?」


「…へ??」


ばこっ!!
その瞬間、私の鞄が何かに命中した。


< 4 / 16 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop