大切な人へ
私はその日喜一がキレた訳を考えてた。
何で喜一は怒ったんだろう…??って。

でも何分考えても…


何時間考えても…


その答えは見つからなくって
とうとう放課後を迎えた。

「喜一、帰ろう??」
「…。」

まだキレてる喜一と帰り支度をしていると

「喜一く~ん!!」

と、誰かが喜一を呼んだ。
私は慌てて机の下に隠れる。

ガラガラッ。

ドアが開いて女の子が見えた。

「何??」
「あの…チョコ…受け取ってくれませんか??」

喜一は女の子にそう言われると私をチラッと見て

「…ありがとう。」
「じゃあ…!!」
「でも、要らない。」

喜一は静かにそう言った。

「やっぱり…彼女からしか貰わないんだね。」

女の子がそう言うと

「…うん。その予定。本人は気づいてないけど。」

喜一はキレ気味で言った。
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