大切な人へ
私はそんな事を思いながら上を向いた。
だって下を向いたらきっと泣いちゃうから…。
だから私はちゃんと上を向いていた。
それなのに…



ぽたっ…。



一滴の雫が頬を伝って床に落ちた。


「あ…れ…??」

私は泣いてないよね??
私じゃないよね??

自分で自分に問う。



ぽたっ…ぽたっ…



また雫が床に落ちた。



ぽたっ…ぽたっ…ぽたっ…



もう…
私にはどうする事もできないくらいたくさんの雫が落ちた。
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