大切な人へ
その雫の正体は…


涙…。


だった。
喜一を思い出して泣いたのは1ヶ月ぶりだった。
そう…喜一に最期に会ったお葬式の日以来。
あの日、私は喜一に『もう絶対泣かないから、今日だけ泣かせて。』って約束してた。




ごめん喜一。
泣かないって約束…
守れなかった…。




私は喜一に一生懸命謝った。
でも、次から次から出てくる涙はどうやっても止まらなかった。

悔しくて悔しくてもっと涙が出た。





喜一ごめん。
少しだけ泣かせて…。





私はそれから30分近く泣き続けた。

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