大切な人へ
皆、嘘つくの上手いよね。

喜一もなんで私を騙すの??


「喜一!!起きてよ!!何してんの!?」
「喜一のバカッ!!」
「喜一、起きろっ!!」


何度喜一に話し掛けても喜一は起きなかった。

ピッピッピッ…

喜一の心拍数を知らせる機械がテンポ良く鳴っている。
喜一は生きてる。
でも起きない。

そんな事を考えていた私に隣に居た大倉くんが

「奈菜子、喜一はずっとお前の事好きだったんだぞ。俺が病院に来ても奈菜子のことしか聞かないし、奈菜子の心配しかしてなかった。」

と言った。

その瞬間涙が溢れた。
喜一、私も喜一が大好き。

私はもう今しか伝えることは出来ないと思って喜一に想いをぶつけた。
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