大切な人へ
喜一が発したそのたった5文字の言葉は今まで聞いた中で一番嬉しかった。

「そんなこと…分かってるよ喜一…。私もずっとずっと喜一を愛してる…。」

私がそう言うと喜一は



「な…な…こ…。」


と言って微笑みながら目を閉じた。
その瞬間





ピ――――――……。





喜一の命が終わる音がした。

私の手から喜一の手がダランと落ちた。

お医者様が私に『離れて』と言って心臓マッサージを始めた。

それでも…


喜一の目は再び開く事は無かった。


「きいち―――っ!!」


私は絶望の声で言った。



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