大切な人へ
それから喜一のお通夜もお葬式も全部行った。
クラスメイトも喜一のファンも下級生も先生も友達も大倉くんもみんな泣いてた。
私も泣いた。
でも…喜一はいつ見ても笑ってた。
それが…喜一が辛そうな顔して天国へ行かなかったことが…
私にとっての唯一の喜びだった。










…喜一はあの日私に言ってくれた事忘れてないよね??
もし喜一が忘れたって言ったら、私はもう喜一と口利かないかも。








喜一に言いながら何故か私は笑ってた。
悲しくないわけじゃない…。
辛くないわけじゃない…。
泣きたくないわけじゃない…。

それでも私は笑っていた。
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