赤の世界
「思い返してみるとさ」
「悠が遊んでた女の子も…」
「みんなどこかが…」
「少しずつ似てるんだよね」
「悠はずっと変わってない」
「ずっとアイツを求めてる」
やっぱり景は
彼女を知っているんだ。
俺が彼女の事を忘れたのも
全部知っているんだ。
「教えてよ…っ!」
気づいたときには
大きな声で叫んでいた。
「アイツって誰なんだ…」
「俺には思い出せない…」
「夢に見るだけだったのに…」
「夢さえ見れなくなった」
悲しくて仕方がない。
悔しさが胸を抉る。
何故景は覚えているのに
俺は覚えていないんだ。
こんなにも愛しいのに。