赤の世界
 
玄関を開けてすぐ
その寒さに身が震える。

それもそのはずだ。

空一面に広がる雪雲から
白い雪が降っている。





地面を見ると霜。

いつの間に
こんなにも冷え込んだんだ。

本当に2月なんだと感じる。

そういえば――


次に雪が降った時には

俺の傍にいるって


夢の中の彼女は
そんな風に言ってたっけ。





本当だったんだ。

今日は雪が降ってる。
今日は彼女に会える。

そう思うと
さっきまでの不安も消えた。




10分ほど歩くと
すぐ先に大通りが見えた。

道幅の広い道路の
割と大きな交差点。

そしてここは―――

俺が事故に遭った交差点。


 
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