赤の世界
 
ある日君は死んでしまった。

もう会えなくなってしまった。

俺の目の前で。





あの日――

空からみぞれ雪が降ってて
霜が降りるくらい寒くて。

高校の違う君と
久々に一緒に通学路で会った。

俺は嬉しくて
浮かれながら歩いていたんだ。

そしてこの交差点へついて
いつもどおりに道を渡って…

そのまま学校につける
そのハズだったのに。





スリップを起こした車が
俺達目掛けて突っ込んできた。





一瞬の事だったけど
俺は偶然車側にいて――

君を守れて良かったと
そう思って盾になった。


それなのに。


 
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