赤の世界
さっき出たばかりの日が
綺麗な朝焼けをしていた。
雪雲の隙間から
街を赤く染めている。
街を世界を全て。
ここに立つ俺までも。
「抗えないんだね」
全てを包み込む光に
俺はそうつぶやいた。
どんなに抵抗したって
この赤い赤い光に
包み込まれてゆくんだろう。
だって目の前に広がる世界は
どこを見ても赤い。
海も街も人も
全てを同化してる。
抵抗なんて無意味だと教えて
優しい光で温かさをくれる。