赤の世界
赤くてキラキラした光。
(なんてきれいなんだろう。)
海も街も人も…
世界でさえちっぽけだ。
赤い光にただ
照らされて輝いてる。
雪はまるで太陽のようだ。
雪の美しさの前で
全てのものはちっぽけで
俺にとって雪は
絶対的な存在だったんだ。
この世界を染める
あの赤い太陽みたいに。
日の光が温かい。
雪の温もりみたいだって
あの日思ったんだ。
いつまでも浸かっていたかった。
だけど沈むのが怖かった。
溺れてしまうのが怖かった。
だけどもう怖くない。
だって雪を失った。
もう怖いことなんてない。
だから俺を連れてって。
キラキラ キラキラ
俺を優しく消してゆく
その光の先へ連れてって。