赤の世界
あの光景は2年以上経った今でも忘れられない。
あの日から
生活の何かがおかしくなって
体中の怪我が治っても
何かが自分じゃないようで
心の中に生まれたのは
膨大な欠落感だった。
その欠落感を
どう埋めていいのかわからず
そのうち
一時的に心を満たしてくれる
女のコ達と遊ぶようになった。
事故あっての遊び癖のせいか
両親も景も深く俺を咎めない。
少し悲しそうな
寂しそうな目で、俺を見守る。
その目はまるで
哀れなものを見るようで
俺はその目が嫌いだった。
逃れたいと今だって思う。
だから普通に生きたい。
だけど普通には生きれない。