赤の世界
事故にあって2ヵ月後辺りから
俺は毎日ひとつの夢を見ていた。
それは不思議な世界の夢。
道路も車もビルも
雲も空も街を歩く人々も
全てが赤い色彩で彩られた
不思議な世界の夢。
細かな色味の差を持つ
様々な赤が彩っている世界。
その世界にはいつも雪が降り
道行く人は赤い傘をさす。
色彩以外は何の変哲もない
毎日が平穏な世界の様子を
俺は毎晩夢に見続けている。
そして不思議と
夢を見ると心が落ち着く。