赤の世界
まだ幼い字の綴る
懐かしい日常の中には
どのページにも
俺の名前が書かれていて
ひとつひとつ
ページをめくるたび
胸の中が熱くなる。
“悠”と書かれた文字をなぞり
雪の指先を想う。
愛しくて仕方ない指先を
想えば想うほど胸が焦げた。
白色の日記を読み終わり
すぐに桃色の日記を手に取る。
雪と触れ合っているようで
時間も忘れて雪の日記を読んだ。
少し幼さの残る桃色のノートは
中学生の頃の日記。
『x/x (x)』
今日から中学生。
新しいクラスは不安だったけど
悠くんと同じクラスだった。
「やったなー!」って
悠くんに喜んでもらえることが
嬉しくて仕方ない。
私と一緒にいる事を
大好きな人が喜んでくれる。
こんな風に幸せで
いつまでも過ごせるように
毎日お祈りをしたら
おばあちゃんになるまで
悠くんと一緒にいられるかな。
ずっと。