赤の世界
読み進めてはっとする。
俺も知らなかった雪の心中。
進路が違った本当の訳。
「俺は太陽なんかじゃないのに」
君の事を照らせてなどない。
そんな強さなどない。
だけど雪は僕の事を
こんな風に書き連ねて
愛してくれたんだ。
「俺は眩しくなんてないのに」
誰の事も照らせてなどない。
そんな輝きなどない。
それなのに雪は僕を
こんなにも想って
愛してくれたんだ。
「伝えればよかったんだ…」
誰より愛していると。
俺は雪のものだと。
雪を愛せないのなら
自由なんかいらない。
雪を守れないなら
自由なんていらない。
独り占めしていたのは
俺の方なんだと。
贅沢をしていたのは
俺のほうなんだと。