赤の世界
 
桃色のノートも読み終えて
残るのは最後のノートだけ。

赤いノート。

開かなくても
半分以上のページが
何も書かれていないと
綺麗なままだとわかる。


幼さが消えている
この綺麗な字のノートは

高校の頃のもの。

最後の日記帳。





『x/x (x)』

今日の天気は晴れ。
綺麗な桜の似合う晴れ。

高校の入学式に行った。

悠くんと景くんと離れて
もう寂しい自分がいる。

支えられて生きてきた
ツケが回ってきたんだね。


寂しいけど
寂しいけど

弱音を吐いても
ここには私しかいない。


悠くんに似合うような
素敵な人になりたい。

だから一人でも
頑張っていこう。

願いを叶えるために。


 
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