赤の世界
 
そこで日記は終わっていた。

ノートにはまだ
白いページが沢山あるのに。

雪の指が新しい日付を
書くことはもうない。





ぽたぽたと雪の粒みたいに
こぼれた涙がノートに落ちる。

ずっと一緒にいたいと願った
俺達の願いは叶わなかった。

だけど雪の最後の願いは叶い
今も生きている。





夢の中で見守って
俺を助けようとする
雪の永遠の愛情が
俺の中で生きている。





俺の太陽は雪で
雪の太陽は俺で

太陽はひとつになって
照らすものを失った



哀しくて哀しくて
気が遠くなるほどの孤独を
1秒に幾度も感じたけれど

これからは一緒に
照らすものを探して
砂漠を潤すほどの愛情を
1秒に幾度も感じていこう





俺はいまやっと
ほんの少しだけだけど


強くなれた気がするよ。

雪のおかげで。


 
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