赤の世界
「俺は生きる」
「この景色のために」
太陽を見つめながら
少し掠れた声で言った。
「協力するよ」
そう真っ先に答えたのは景。
「私も協力する」
そう言って
俺の手を握ったのは楓。
心細い決意は
2人のおかげで確かになった。
降り注ぐ赤い雪は
日が沈みきると
見計らったかのように
静かに降り止んだ。
「ありがとう」
俺がそう言うと
2人は小さく頷いて
いつまでも俺に
寄り添っていてくれた。