赤の世界
1. 擦れた景色
夜の匂いがする。
いつものように俺は
制服のズボンの後ろポケットに
1年使っている財布を突っ込み
左肩にバックを背負い
右手に携帯を持って
親友の景の家を出た。
高校で授業が終わると
大体景の家に行って遊ぶ。
景の家はデカいマンションで
中も広い。
俺と景だけだったり
もっと増えたり
遊ぶ人数は決まってない。
取り留めのない事を話して
テスト前には
一緒に勉強なんかしながら
景の親が帰ってくるまで過ごす。