赤の世界

1. 擦れた景色

 
夜の匂いがする。




いつものように俺は
制服のズボンの後ろポケットに
1年使っている財布を突っ込み
左肩にバックを背負い

右手に携帯を持って
親友の景の家を出た。





高校で授業が終わると
大体景の家に行って遊ぶ。

景の家はデカいマンションで
中も広い。



俺と景だけだったり
もっと増えたり
遊ぶ人数は決まってない。



取り留めのない事を話して
テスト前には
一緒に勉強なんかしながら
景の親が帰ってくるまで過ごす。


 
< 2 / 186 >

この作品をシェア

pagetop