赤の世界
(朝の悠は別人、か。)
自分でもそう思う。
不安に駆られたりしないし
夜より断然落ち着いている。
これは夢の力だ。
今日も現れてくれた
真っ赤で優しい夢の力。
「悠ー!出来たよぉー」
「いま行くよ」
アユミの部屋から
キッチンへ降りると
カップに2つ
コーンスープが出来ていた。
アユミはいつも
これが朝食らしい。
「あったかい…」
じんわり、熱が体を伝う。
どこか
夢を見た時の温かさに似ていた。