赤の世界
4. 凍えた雪雲
12月12日。
今日は俺の18度目の誕生日。
特別誰かと会う気はない。
自分の誕生日を
祝いたいとも思わなかった。
携帯を見ると
ランプが点滅している。
見てみると
景からのバースデイメール。
律儀だなと思い
少し笑ってしまう。
あの日以来
景とはほとんど会っていない。
気付けばもう高3の冬だ。
受験生の景は
毎日予備校で忙しくしている。
俺は運よく推薦が貰えて
自由登校になった今じゃ
学校に行く必要もない。
そのせいでいつも以上に
暇をもてあましている。