赤の世界
5. 染まる街並
運よく微かな雪が降った
今年はホワイトクリスマス。
俺は僅かに降ったその雪を
楓と手を繋いで見ていた。
あの誕生日の日の翌日から
俺と楓は引き寄せあうように
お互いを求めた。
俺が楓に会いたいと
そう思うように
楓も俺に会いたいと
そう思ってくれた。
楓の授業が終わる頃
俺は毎日のように大学へ行って
そのまま色んな所へ出かけて。
電車に揺られて
冬の海を見に行ったり
歩き回って
いろんな店で買い物したり
急に思い立って
水族館へ出かけたり
おなかを空かせて
少し有名なお店に行ったり
目まぐるしく回る毎日は
ジェットコースターみたい。
そして今日はクリスマス。
手を繋いで買い物に出かけ
お互いのプレゼントを買った。
その帰りにケーキ屋に寄って
今度は2人で1つのケーキを選ぶ。