碧の時間(とき)






結局、ポロポロと涙を地面に落としながらも、私は幼稚園バスに乗せられちゃったんだ。






「大丈夫だよ。真実ちゃんが一緒にいてあげる」






横から声がした。






顔を向けると、そこには私より大きい女の子が座っていた。






「私は、真実ちゃん。あなたは?」






「……夕貴」






「夕貴ちゃん、これからは真実ちゃんと一緒に幼稚園に行こう。そしたら悲しくないでしょ?」






真実ちゃんは、ニカッて白い歯を見せてくれた。






「うん!!」






もう涙は止まっていた。






そして、幼稚園に着くまで真実ちゃんは手を繋いでくれたんだ。






真実ちゃんが初めてのお友達になったんだよね。








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