碧の時間(とき)






真実ちゃんと友達になってからは、幼稚園に行くのが楽しくなっていったんだ。






ちょうどそんな頃だった。






……ひいおじいちゃんが、おかしくなったのは。






私は良くわからなかったけど、何か怖かった。






食べたはずのご飯を食べてないって言ってみたり、家に帰るんだって言いながら家を飛び出してみたり。






私の大好きな、優しいひいおじいちゃんが、おかしくなっちゃったんだ。






痴呆症。






今はこういう風に言うけど、いわゆるボケたってこと。






でも、幼稚園に入りたての私は、なんでひいおじいちゃんがひいおじいちゃんじゃなくなっちゃうのか、理解出来なかったんだ。









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