碧の時間(とき)






私はみどりちゃんに促され、急いでひいおじいちゃんの部屋に行った。






そこには、おじいちゃんがいた。






おじいちゃんがひいおじいちゃんを覗き込んでる。






「おじいちゃん?」






「ああ、夕貴、おはよう」






そう言うと、悲しそうな顔でまたひいおじいちゃんの方を向いてしまった。






――バタバタ バタバタ






足音がひいおじいちゃんの部屋の前で止まった。






「おはようさん。じぃさんはどんなだい?」






足音の主は、近くの内科の先生だった。






私も風邪を引くと行く病院。






先生は、うちのおじいちゃんと同じくらいに見えるから、私は『おじいちゃん先生』って呼んでいる。






……なんで、こんなに朝早くから、おじいちゃん先生が来るんだろう?








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