碧の時間(とき)






……そして、そんなひいおじいちゃんが消えてしまったのは、夕方だったんだ。






みんながひいおじいちゃんの周りに座ってる。






……私も。






ひいおじいちゃんは、ゆっくりと呼吸をしていたけど、段々と吸う力が弱くなり、浅い呼吸に変わっていった。






あぁ、お別れなんだなぁ。






子どもながらに、私はそう思った。






そして……夕方、空が茜色に染まった頃、ひいおじいちゃんは逝った。






大きく息を吸った後に……。






『これが、死ぬと言うことだよ』






私は涙でみどりちゃんの姿がボヤけて良く見えなかった。








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