碧の時間(とき)
別れ
ひいおじいちゃんが逝って少し経った頃、私はまた高熱を出した。
おじいちゃん先生に診てもらい、多分風邪だろう…ということで、部屋で寝かされていた。
そしてまた、あの天井が近づく感覚を覚えた。
……でも、今回は少し違った。
みどりちゃんの『戻って』の声に、反応が出来なくなっていた。
それどころか、どんどん軽くなって、天井に手が届いた。
……あれ?
……触れない。
天井がすり抜けちゃう。
あれれ?
天井じゃなくて、私の手がすり抜けちゃうのかな?
――みどりちゃん、見て見て、ほら?
私はそのすり抜けた手が面白くなって、みどりちゃんに見てもらおうと、さっきみどりちゃんの声がした方を見た瞬間だった。