碧の時間(とき)






煙突から立ち上る煙。






あれは…おばあちゃんかな。






少し落ち着いた頃、私は外に出て空を眺めていた。






心に穴が空いたまま…ただ瞳に空を映していた。






「おばあちゃんを見てるのか?」






後ろから声が聞こえた。






振り向くと、そこには目を赤くしたお母さんのお兄さんが立っていた。






「うん……」






また空に目を移しながら返事をした。






「ねぇ…おばあちゃん寂しくないかな?一人で逝っちゃって……」






生まれる時も一人なら、死ぬ時も一人。






私なら…寂しいよ。






「……あっちには、みどりがいるから。みどりが待ってるから、大丈夫だよ」








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