碧の時間(とき)






―― !?






……み…どり?






それって、みどりちゃん?






「みどり……って?」






「あぁ、夕貴は知らなかったな。みどりは俺の妹だ。夕貴のお母さんのお姉さん。だから、伯母さんだな」






お母さんのお兄さんは穏やかに微笑みながら、みどりちゃんの事を話してくれた。






「みどり……おかっぱ頭の可愛い妹だったんだよ。いつも俺の後を付いて回って、本当に可愛くてね」






……うん、知ってる。






おかっぱ頭のみどりちゃんは、笑顔が可愛いかったっけ。






「3才になったくらいの時だったかな。高熱を出してね。おばあちゃんはみどりに『明日、病院に行こうね』って言ったんだ。みどりは『うん』って……。」






そして、それが最後の言葉になったのだ…と、お母さんのお兄さんは続けた。









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