碧の時間(とき)
おばあちゃんは死ぬ前「またね」って、あの頃の私に言ったのは、大人の……今の私に会ったからだったんだ。
会うことを知っていたからだったんだね。
私は静かに目を瞑った。
瞼には、今見たおばあちゃんとみどりちゃんの笑顔が焼き付いている。
うん……。
「さっ、行こうか」
『うん』
みどりちゃんの声が……赤ちゃんの中から聞こえた気がした。
「お帰り……。みどりちゃん」
そう呟いて、私は歩き始めた。
パパの元へ。
そして……未来に向かって。
一緒に歩んで行こうね。
みどりちゃん。
― 終 ―