碧の時間(とき)
「お母さんも、赤ちゃんも助かりました。良かったです。おめでとうございます」
お医者さんが、お母さんの家族に、そう伝えたんだよね。
お母さんのお父さんも、お母さんのお母さんも、お母さんの兄妹達も、ほっとしたと同じに、大喜びしてくれたんだ。
私は、保育器に入れられることなく、みんなと、窓越しにご対面したんだよね。
麻酔が効いていて、まだ寝ているお母さんさんより先にね。
――みなさん、はじめまして
ちょこっと、手を動かしてあげたんだ。
――わたしは、げんきだよ
「きゃ〜、可愛い!!」
――うふ、そうでしょ
お母さんの妹は、私の可愛いさに、目を奪われていた。