Blood†Tear

空が赤く染まり気温が下がりだした頃、2人の人物が山道を歩いていた。


まだ元気があるのか、はしゃいでいるのはピンクの髪をツインテールにした小さな少女、イース。


その隣を歩く青と銅の瞳を持つリオンは、ニコニコと微笑み彼女の話を聞いていた。




彼等はセルビアの家に身を置いているのだが、1人にさせて欲しいと彼女に頼まれ、隣町へと向かっているのである。





 「!?…セルビア……?」


何事もなく先へ進んでいた2人だったのだが、突然リオンは立ち止まる。


左目を覆う彼はセルビアの名を呟き振り返った。




 「どうかしましたか?リオン様」


 「…いえ、何でもありません」


嫌な予感がした。
胸がざわつく。
セルビアに何かあったのだろうか…



心配するイースに何もないと言い再び歩み始めるが、2人の前に何者かが立ちふさがった。




 「エメラルドの髪に青と銅のオッドアイ。君がリオン・ディアルド?」


確かめるように呟くその人物は、黒いローブを身に纏う、銀に赤のメッシュの入った髪をした男性。


血のように赤い瞳で見つめられ、2人は動きを止めてしまった。




リオンを護る為箒を手にし男性を睨むイースだが、彼から漂う殺気に身震いする。




 「お下がり下さい、リオン様……」


 「ん?戦うつもり?残念だけど、君死ぬよ」


リオンを背に立つイースだが、鋭い赤い瞳に睨まれゴクリと息を呑む。


震えるイースの背に隠れるリオンは彼の言う通り、イースがなかう相手ではないと不安な顔をしていた。





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