Blood†Tear

あれからどれ位の時が経過したのだろう。

数十分かもしれないし、数時間なのかもしれない。

只言えるのは、一秒と言う時間が物凄く長く感じると言う事。



静まり返るリビングの中、レオンは壁に背をつけ腕を組み、レグルは真剣な面持ちで椅子に腰掛ける。


その部屋に響くのは、時計が時を刻む音と、外から聞こえる虫の音色。


ほんの小さな物音さえも、やけに大きく耳に入る。



重い空気の漂う中、やっと扉が開きジークとシェイラが顔を出す。




 「大丈夫なのか、彼奴は!?」

疲れ切った顔のシェイラと神妙な面持ちのジーク。

そんな2人に駆け寄るレオンは興奮気味。

するとシェイラは彼を安心させるように微笑んだ。




 「安心して下さい、後は意識を取り戻すのを待つだけです」


その言葉にほっと息を吐き、力が抜けたように座り込む。


レグルも一安心したのか煙草へと手を伸ばし、シェイラは冷たい水を一杯飲んだ。




 「お前も少し休め。力を使いすぎて疲れてるだろ」


 「そうです、後の事は私達に任せて、ゆっくりお休みになって下さい」


 「しかし……」


窓辺で煙草に火をつけた彼は深く息を吐くシェイラに声をかける。

するとその言葉にジークは同意だと頷くが、対してシェイラは申し訳ないと顔を伏せる。




 「いいから休め。お前まで倒れたら身も蓋もないだろ」


 「…では、お言葉に甘えて。皆さんも無理をなさらないで下さいね」


少し考えた後顔を上げた彼女は笑顔を浮かべ立ち上がる。


そして3人に挨拶をすると階段を登り姿を消した。




 「はぁ…何だか今日は、疲れましたね……」


 「確かに、慌ただしい1日だったな」


両手を挙げ伸びをすると机の上に突っ伏すジーク。

目を瞑り欠伸をする彼は今にも眠りそうな勢いである。


煙草の煙を外に流していたレグルだが、一本吸い終えた所で風を浴びに1人外へと出て行った。


立ち上がったレオンは一度コウガの部屋へと目をやると深く息を吐く。

そして階段を上ると、その勢いのままある部屋の扉を開いた。





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