Blood†Tear
鳴り響く銃声。
闇夜に煌めく刃は風を切る。
しなやかな身のこなしで銃弾を交わしたアリューはレグルとの距離を縮め刃を振るう。
身を捻り猛スピードで振り下ろされた刃を避けると素早く銃を突きつける。
しかしその銃は簡単に払われ銃弾は湖に姿を消す。
間髪入れず繰り出される攻撃を何とか交わすと後方へ飛躍。
木の枝に着地し息を整えるが、追ってくるアリューの姿を目にし、其処から飛び降りると銃を撃つ。
飛躍するアリューは刃を振り下ろし、レグルではなく太い枝を切り落とす。
放たれた銃弾は落下する枝に当たりそれは粉砕した。
散った破片で傷を負いながらも、地に着地したレグルは見失ったアリューの姿を探す。
背後に感じた気配。
振り向き際に銃を撃つが銃弾はアリューには当たらず、舞った木の葉を撃ち抜いた。
木の幹を蹴りレグルの元まで跳んだアリューは彼の手を払い銃を手放させると突き倒す。
彼の上に乗ったアリューは銃を手にする一方を押さえ刃を地と垂直に構えると顔面目掛けて突き刺した。
「…っ……」
首を捻りそれを交わすと、自由な方の手で彼女を殴り腹を蹴ると突き飛ばす。
素早く立ち上がり大勢を整えると転がった銃へと手を伸ばした。
しかし、銃に指先が触れる直前でアリューは彼の腕を蹴り上げ、更に銃を遠くへと蹴飛ばした。
回転しながら転がっていく銃はマットの靴に当たり動きを止める。
それを拾い上げたマットはクルクルと指で回しながら悪戯に微笑んだ。
「っ…糞がっ……」
レグルは彼を鋭く睨むと、諦める様子を見せず攻撃を仕掛けてくるアリューへと銃口を向けた。