Blood†Tear
失っていた意識を取り戻し、ペッと血を吐き捨て乱暴に口を拭うレオン。
唇を噛み声を堪え、涙を流しながらジークとレグルの2人を治癒するシェイラ。
深手を負い多量の血を流しながらも尚立ち上がるクレア。
苦痛に顔を歪め床に突き刺さる大剣を引き抜くスティング。
彼等の痛々しいその姿を目のあたりにし、誰が何もせずに居られるだろうか。
「ハハッ…仲間……?君は愛した人よりも、仲間と言う愚かで馬鹿げた脆い存在を取ると言うの?恋人よりも仲間が大切だと?」
「…俺にとってアリアは誰よりも大切で、何よりも護りたいかけがえのない存在。だが、そんな彼女が仲間を手にかけるのであれば、俺はこの身を捨ててでも止めるつもりだ。そして彼女の身体を良いように使うお前を、俺は絶対許さない」
動揺した姿を見せまいと笑ってみせるライアだが、冷たい瞳で鋭く睨まれ息を呑む。
低く言う揺るぎないその言葉に彼は本気であると確信する。
「ハァ……君は最後まで生かしておいてあげようと思っていたけれど…それを叶えてあげる事は不可能のようだ……何故ならそれは、君を一番に殺したくなってしまったからね!」
血に染まるレイピアの柄を力強く握るライアは地を蹴った。
一気に距離を縮め突きを繰り出す。
ヒュッと風を斬る刃。
コウガの喉を狙った攻撃だが、それは剣でいなされる。
「ちっ……」
そらされた攻撃に舌を打つと振るわれた剣を身を低くし交わすライア。
刃が頭上を通過すると共に身を起こし、素早くレイピアを振り上げる。
「っ……」
後退し咄嗟に回避へと回るコウガだが、その攻撃は彼の左腕を切り裂いた。
一旦距離を取る為彼の腹を蹴り突き飛ばすコウガ。
その蹴りを受けながらも平然とするライアは嫌味に笑い、再び地を蹴りコウガへと襲いかかった。