Blood†Tear
「二度とその口利けなくしてやるよ!」
教会の外、地を蹴ったレオンは声を荒げながらクレアに殴りかかる。
シュッと尋常ではない速度で振るわれた拳だが、それを軽やかにクレアは交わす。
「…やれるものならやってみろ。能無しの人狼が……」
「っ……本気でぶっ殺す!」
攻撃を受けながらも罵倒し続けるクレアは繰り出された蹴りを弾き素早く鎌で斬りかかる。
それを後方回転しながら避け一旦退くが、すぐさま地を蹴り彼女との距離を詰めるレオン。
鎌を振り下ろした状態の今の彼女は回避に回る事は不可能。
勝利を確信したレオンは顔を綻ばせ拳を繰り出すが…
「っ……!?ぅわっ!」
2人の間に割って入った何者か。
その人物はレオンの拳を弾きその腕を掴むと捻り伏せた。
「喧嘩するほど仲が良いとは言うが、日に何度も争わなくても良くないか?」
うつ伏せに倒れるレオンの腕を後ろ手に回すのはコウガ。
呆れて溜め息を吐く彼は2人の喧嘩を止めに入ったのだった。