Blood†Tear

着地と同時に身を捻りながら蹴りを繰り出す…

だがその蹴りもか細い腕で簡単に弾かれてしまう…



体勢を整えながら鋭く睨み少女を威嚇…

一方少女は首を傾げながらレオンを見つめる…




そんな隙だらけの少女を巨大な鎌が襲った…


銀髪を揺らしながら巨大な鎌を斜めに振り下ろす…

だがその攻撃は交わされ、身を回転させながら鎌を横に振った…

素早く判断した攻撃だったが、再び空を切った鎌…

悔しそうに唇を噛むと、鎌の柄を握り直し高々と持ち上げ力任せに振り下ろした…



しかし、その攻撃も交わされ、獲物を逃がした鎌は深々と地に突き刺さる…



その鎌の刃に裸足で飛び乗ると、虚ろな瞳でクレアを見下ろす少女…



赤い瞳で少女を睨み、鎌を引き抜こうとするが、少女は高々と飛躍…



身を回転させながらコウガの目の前に着地した…





真正面からコウガを見つめ、無駄のない動きで回し蹴り…


突如として現れた少女に驚きながら、もその攻撃を身をくぐめ難なく交わす…



そして身体を捻りながら剣で胴を切った…





コウガに攻撃を仕掛けた少女は距離を取る…

少女の横腹の服は裂けているが、傷は負っていないようだ…



コウガを見つめる少女はフラフラと数歩後ろに下がると、バランスを崩したのか尻餅をついてしまった…


素早く立ち上がるが、再び膝をつき座り込んでしまう…

そしてそのまま力無く俯いた…





動かなくなった少女を威嚇しながらも不思議そうに目を向けていると…






 「まだ調整が必要だね」


眼鏡の男性が顎に手を添えながら呟くと少女に歩み寄り彼女の髪を掴んだ…

髪を掴まれ顔を上げるが、開かれた瞳には光がなく、表情のない少女は人形のように動かない…






 「今度はいい返事待ってますよ、リオン様」


少年に向かってそう言うと、懐から液体の入った試験管を取り出しその中味を地面に垂らした…

するとモクモクと煙が立ち上り2人の姿を包み込んだ…





煙が消えた頃、そこには誰もいなかった…

2人は煙と共に姿を消した…



< 37 / 324 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop