Blood†Tear

　「なんて酷い方た……っ……ゲホッ……」


立ち去る５人の背に語り掛けていた男性。
彼は突然咳き込むと、苦しそうに顔を歪めながら膝をついた…



苦痛に耐えるかのように地につけた手は砂を掴む…

口元に当てた掌から何かが零れ、地面に模様を描いた…

ポタポタと零れたそれは真っ赤な鮮血…

面だれる彼は血を吐き荒い呼吸をする…





　「…大丈夫、ですか……？」


苦しそうな彼に歩み寄ったのは心配そうな面持ちのコウガ。

先程の攻撃が影響したのではと思い戻って来た様子。




　「……手を貸して、頂けますよね…？」


口元の血を拭い目の前のコウガに問う男性。


脅すような口調で問い何故かコウガの脚を掴む彼…


ガッシリと脚を掴まれ身動きの取れないコウガは苦笑い…


演技だったのではと不振に思いながらも渋々頷いた。