無題

夏のある日

夏といっても、もう9月だ。
夏はそろそろ終わって秋になる。僕はこの時期が大好きだ。
暑くもないし、寒くもない。
そりゃー暑い時も、寒い時もあるだろうけれど、
なんともないこの時期が一番大好きだった。

僕のクラスは本当にうるさい。
中学3年生になって受験という大事なものがあるのに、遊んでばっかだ。少しは勉強しないのか?と僕も含めて、何人か思っていることだろう。

「なー恭一、お前、部活いかねーの?」

僕の前に立って話しているのは、斎藤 朋。僕と一番親しい友達だ。
クラスの皆からは。『冷血人の恭一と人気者の朋ってなんでそんなに仲がいいの?』とありえない的な発言をされたが、僕はとりあえず無視をした。だけど朋は、『だってオレら気があうもんなァー?』と笑っていった。その笑顔は、なんだか嬉しそうな笑顔だった。

「あー・・・部活か・・・・というか、朋、君は勉強しなくていいの?」
「いいって!だってオレ野球推薦だしー!らっくしょー楽勝!!」
「いいよね。朋は気楽で。僕あんまスポーツできないくせに、野球やってベンチはいってたからね」
「ちげーってそれ!恭一の野球すごすぎて、監督が出せなかっただけだっての!」

また、太陽のような笑い方をした。僕は朋という友達がいないと
ここまできっと話せなかっただろうな・・・

「でも、やっぱり僕は遠慮しとくよ。朋とちがって僕は推薦じゃないからね」
「そかそかーでも気にすんなって!恭一ならかるーく合格できるから!」

そういって朋はすこし悲しそうな顔をすると、じゃなといって走ってグラウンドへ行った。



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