無題
放課後終了のチャイムが鳴る。帰宅部の生徒や、部活へ行かない僕らは、ぞろぞろと校門を出た。このまま、図書館へ行くか・・・
図書館は冷房がきいてて、この暑い夏も冷房目当てで来る利用者が多い。まあ、僕もそれにちょっとだけ当てはまっているけど・・・すたすたと歩いていくと、他校の女子が一生懸命、辞典を開いているのが見えた。それをよく見ると、僕がいつも使う辞典だから、その女子を見てすぐに思ったことは、辞典を返して欲しいということだった。
だけれど、辞典を返してというのはずうずうしいから僕は彼女が辞典を手離すまで、少し勉強をする事にした。
しかし、いつまで経っても彼女は辞典を手離す事は無い。じぃっとページをめくらず、辞典の一点をずっと見つめているのだ。勉強もしていないくせに、辞典を占領している事にイラついた僕は、彼女に話し掛けることにした。
「ねぇ、君いつまで辞典見てるの?僕、はやくその辞典使いたいんだけれど」
「・・・・は?」
「だから、いつまでそれ見てんのっていってんの。早く僕に返して」
「・・・アンタ、何いきなり、ここは図書館なんだからこの辞典はみんなの物でしょ?」
「だからって、別にページも開かないで同じところを見てるなんて、どうにもアホにしか見えないけど?」
「っアホって何よ!!」
・・・ああ、言い過ぎた。彼女は、目に涙をためていった、図書館にいる人全員の目が僕に向かって、ひそひそと、声が聞こえる・・・はあ、この子泣き虫なのか?
僕は彼女の手を引っ張ってひそひそと話す声から遠ざけた。なんとなく、イラついたから。
「・・・ごめん」
「?」
「なんとなく、君泣きそうな顔してたから」
「べ、別に泣いてない・・・」
「だって、もう泣いているじゃないか?」
「!?」
彼女は泣いていないと思ってたらしいが、思いっきり泣いていた。ぼろぼろと涙を流していた。びっくりしたのか、彼女は制服の裾で涙を拭いた。そして、真っ赤な目で僕を見た。
「ごめん、なさい・・・」
「は?」
「突然泣いて、あたし、あなたに迷惑かけたから・・・」
「ああ、別にいいよ、慣れてるから。そういうの」
「え?」
「僕、冷血人って結構言われてるからね」
そういって、苦笑いをした。
図書館は冷房がきいてて、この暑い夏も冷房目当てで来る利用者が多い。まあ、僕もそれにちょっとだけ当てはまっているけど・・・すたすたと歩いていくと、他校の女子が一生懸命、辞典を開いているのが見えた。それをよく見ると、僕がいつも使う辞典だから、その女子を見てすぐに思ったことは、辞典を返して欲しいということだった。
だけれど、辞典を返してというのはずうずうしいから僕は彼女が辞典を手離すまで、少し勉強をする事にした。
しかし、いつまで経っても彼女は辞典を手離す事は無い。じぃっとページをめくらず、辞典の一点をずっと見つめているのだ。勉強もしていないくせに、辞典を占領している事にイラついた僕は、彼女に話し掛けることにした。
「ねぇ、君いつまで辞典見てるの?僕、はやくその辞典使いたいんだけれど」
「・・・・は?」
「だから、いつまでそれ見てんのっていってんの。早く僕に返して」
「・・・アンタ、何いきなり、ここは図書館なんだからこの辞典はみんなの物でしょ?」
「だからって、別にページも開かないで同じところを見てるなんて、どうにもアホにしか見えないけど?」
「っアホって何よ!!」
・・・ああ、言い過ぎた。彼女は、目に涙をためていった、図書館にいる人全員の目が僕に向かって、ひそひそと、声が聞こえる・・・はあ、この子泣き虫なのか?
僕は彼女の手を引っ張ってひそひそと話す声から遠ざけた。なんとなく、イラついたから。
「・・・ごめん」
「?」
「なんとなく、君泣きそうな顔してたから」
「べ、別に泣いてない・・・」
「だって、もう泣いているじゃないか?」
「!?」
彼女は泣いていないと思ってたらしいが、思いっきり泣いていた。ぼろぼろと涙を流していた。びっくりしたのか、彼女は制服の裾で涙を拭いた。そして、真っ赤な目で僕を見た。
「ごめん、なさい・・・」
「は?」
「突然泣いて、あたし、あなたに迷惑かけたから・・・」
「ああ、別にいいよ、慣れてるから。そういうの」
「え?」
「僕、冷血人って結構言われてるからね」
そういって、苦笑いをした。