無題
僕の手を掴んでいう彩の手は、僕より冷たく図書館の中から光に照らされ赤くなっていたことがよく分かった。

「誰が？」
「聡美だよ！」
「ああ・・・・・別に興味ないけど？」

そういった瞬間、パーンっと何かをたたく音がした。じんじんと僕の頬が鳴った。彩に打たれたのか。外は寒かったせいか、あんまり痛くはなかった。

「最ッ低！！」

そういうと、彩は泣きながら走っていった。何で僕が打たれるか、分からなかった。つくづく僕は冷血人なんだなと思った。その日は何事もなかったように家へと帰った。








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「そんで、聡美っていう人と彩っていう人にどういう顔で会えばいいのか分からんってことだなー」
「まあ、簡単に言えばね」
「ったく、モテる男はいーよなー、これで何人目っすか？恭一さーん！」
「馬鹿にしないでよ。そんないちいち興味ない女子とじゃれ合うつもりなんてないし、恋愛なんて興味ないよ。でも、朋だって僕よりモテているんじゃないか」
「さーなーよくわかんねーや」


昨日あったことを朋に話してみた。本当になぜ、僕が打たれたことはよく考えても分からなかった。考えれば考えるほどよく分からないから、恋愛なんてしないほうがいい。興味なんて湧かないほうがいいんだ。
それにしても、今度会ったときどういう顔をすればいいのか分からない。本当に、気まずいのは誰にだって分かる。だからこそ、重い空気をどうすればよいのかも、人にはいる知能だ。

「ってか、それは恭一が、あまりにも興味を示さないからだろ？」
「・・・これが普通の僕なんだけど・・・」
「ちゃんと、聡美って人に気持ち伝えたほうがいいぞ？告白を断るっつてもな」
「・・・ああ、分かったよ・・・朋の言うと通りにしてみる。」


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