ロッカー103
何の収穫も得られないまま、一週間が過ぎた。

「365日分の358日目です。あと一週間…。そろそろ俺との約束を思い出して欲しいものですね。ヒントを出します。」

しばらくして彼はある歌を歌った。

『…校歌?』
記憶を戻すために、私の両親がよく聴かせてくれたから覚えている。
小学校の校歌だ。

「どうです?懐かしい…くらい感じてもらえましたかね。」
そして声がぷつりと切れた。

懐かしいというか、私の中のモヤモヤはいっそう濃くなってしまった。

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