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「あたしね……もう何にもこの世に心の残りはない。大好きな母親も自殺してしまった。けど…………よく考えたら一つだけ心残りがあったの。」
心残り?
「あたしはあんたに復讐をしなきゃいけなかったのよっ──────!!!!!」
「あたしが死ねば呪いは完全になるんだぁぁぁあああ────!」
「呪い?」
私はやっと言葉を発した。呪いって私に?
死ぬって?一体?
「教えてあげるよ……………あたしは昔からおまじないや占いとかが大好きだった……」
そうやって詩織は話し出した。
詩織の話によると……
おまじないや占いが大好きでよく本を買ったり、図書館でかりたり、インターネットで色々調べたらしい。
いつしか詩織は黒魔術へと辿り着いたらしい。
黒魔術は色々な代償が必要なため実際に実行はしなかったが………親愛なる母もいなくなりもう詩織が生きる意味はなくなった。
代償なんてもう何でもいい。自分はどうなったっていい。と言うことらしい。
そう言って詩織はあたしの手からカッターを取り上げた。
「陽菜ちゃんケータイ出して?」
そう言って詩織はカッターをあたしの首に当てた。
出したくないけど出さないわけにはいかなかった。
首にカッターが当てられている。
変に抵抗したらあたしの首から………赤色の雫が流れるだろう。
あたしは静かにポケットをあさった。
横目で詩織をみるとにんまりしていた…。
果たして……首から血が出てくるのとケータイを出し呪われるのはどっちがましなんだろう?